日記と行動科学
かわら版・No.249号
野球が大好きな私は、大リーガー大谷選手をいつも応援している。歴史的にも稀有な二刀流が実現するのは素晴らしい。
なぜ、あれほどのレベルまで達することができたのだろうか?本人の才能や努力、環境などすべてがうまく絡み合ったからであろう。
いろんな因子の中で私が重要と考えるのは、「大谷翔平の目標達成シート」。魔法の81マスと呼ばれ、簡単に調べられるのでいちどチェックしてほしい。今回は背景に存在する大切な概念として「日記」を考えたい。つまり日々自分の行動や思考を記する習慣といえよう。
参考として、わかりやすい例を挙げたい。肥満や糖尿病の患者の治療で、食事日記や生活日記の記載は大切なポイントだ。
日々の行動を自身が認識し、感じ、考えることで、行動変容していく。いずれのスポーツの場合も同様だ。
子供の頃から日々練習を振り返り、日記を続ける選手がしばしば大きく羽ばたいてきた。スポーツドクターとして助言を授けよう。
日記に記録するデータは5項目だ。①その日の行動や内容を客観的にメモ、②自分の五感で得た感覚を文字化する、③以上からどう考えて判断するか、④心理・感情的にどんな気持ちか、⑤自分以外の選手たち、環境、天候、外的因子は?以上は行動科学の応用であり、各自がうまく活用してほしいと思う。